月に1回、すでに20回、弊社主催で読書会を行っています(写真は扱った本の一部)。
私は本来、読書は閉じた環境下で行うに適していて、その面白さは著者と自分の対話のなかにあると思っています。
本は個人的経験に基づいて一人ひとりがエッセンスを読みとるもので、これを他の人と共有するのは困難だからです。ですがそれでもなお、読書会をする理由があります。
一つ目は、自分一人の角度から物事をみる限界から抜け出るためです。
世の中をとりまく環境は変化していますが、人間のほうは変化をしない場合もあれば、良い方向に変化することも悪い方向に変化することもあります。それらを分けるのは何か。どうやら自分を客観的に見ることができるかどうかにあるようです。
多くの場合、まず何を読むかを選ぶ段階から自分の好みに合うものを選んでしまいます。こんな本があると知らせること自体にも価値があると思い、読書会ではまず運営がリストを作りその中から投票形式で扱う本を選ぶことにしました。現在はフィクションやいわゆる娯楽本は除いています。
本を読んでどのように考え、どの部分に関心をもったのか、どんな読み方をしたのか。
これらについて第三者の考えを知ることが、自分の考え方の特徴を知り、自分ひとりの角度から抜け出るきっかけになります。同じものを見ているにもかかわらず、この人は違ったとらえ方をするのだと、価値判断はせずにそのまま受け止める。まずはそれが大事だと思っています。
もう一つは、他の人の個人的経験や見解を知ることが未来について考える助けになるからです。
複数の情報を組み合わせることはイノベーションの原点ですが、同じ事柄に接していても、人によって異なる見解が示される。それを知ることで自分が想像できることが増えていきます。あることが起きた時にこの人はこのように行動したが、自分ならどうするだろうかと考えるきっかけにもなります。変化の激しい時代であっても、過去や現在の情報から何を読みとるかが重要であることに変わりはありません。
もちろんこの目的は、必ずしも読書会でなくても、たとえば然るべき人と話すことでも果たされるでしょう。とはいえ書籍は上手に使えばその場に特定分野の専門家が一人いるのと同じ役割を果たしてくれます。これが読書会から得られる面白さになっています。
時代の変化が激しい今だからこそ、私たち一人ひとりには自分の頭で物事を考え、知識をアップデートすることが求められているのではないでしょうか。
Kaori Matsuhashi
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