結局は暗記なんですよね、と言う人が見落としていること

英語
2020.05.29



英語とくに英会話が出来るようになりたいという人から度々聞く言葉として、「結局は暗記なんですよね」というものがあります。今日は暗記が英会話力向上に及ぼす影響について考えてみたいと思います。

英語学習に取り組む方法としてよくあるのが、よく使われる句を集めた会話集を丸暗記するというものです。
英語力の向上において、たしかに一定の情報を記憶しておくことは必要です。それは否定はしません。とはいえ、会話というのは自分のいいたいことを相手に伝え、相手がいいたいと思っていることを聞くことで成り立つものです。自分がたまたま知っているフレーズの中から使えそうなものを取り出し口に出す事とは異なります。

日本にいる外国人ビジネスパーソンから聞いた印象深い話があります。
日本人の知人から「英語で話してもいいか」と聞かれ、Yesと返事をしたところ、Where are you from? からはじまり、いかにも『リスト』にのっていそうな事ばかりを立て続けに質問され辟易してしまった、と言う内容でした。彼はもうこりごりだといっていました。

発せられた言葉は話し手の個性や感じた事を反映したものではなく、相手から見てもそのように信じられるものではなかった。相手に興味があって向けられた言葉というよりむしろ、外国人を相手に知っているフレーズを吐き出したという事なのでしょう。また、別の外国人からこのような事も聞いたことがあります。「日本人が使う英語は皆同じような表現なんだよね。なにかマニュアルでもあるのかと思った。」

暗記一辺倒だとこのようなことが起きがちです。

私自身、暗記は決して苦手ではありません。むしろ得意なほうです。ですが、先の例が示す通り、丸暗記そのものから本当の会話力を得ることはできません。拙くても良いから自分で言葉を紡ぎだす事が必要なのです。
学習初期は気付かない事も多いのですが、言語には文と文のニュアンスの整合性や、感情に応じたイントネーションの違いが存在します。この違いを理解していないと話す内容やトーンがちぐはぐになったり、まるで機械が話しているかのように聞こえてしまいます。

会話をするという事と、会話のための技術を得る事を混同してはなりません。会話の目的というのは、難しい単語を習得するとか、気の利いた表現ができる様になるといった事ではなく、新しい考え方を知り、考える材料を得、思考を深める事にあるのではないでしょうか。だとすればそのために習得すべき技術とは、自分のシチュエーションに合う表現を選びとり、そこに自分らしさ、自分の思考を反映させる技術です。こうした表現力は丸暗記ではいつま経っても身に付かないものです。

筆者:KM

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