英語が通じない理由-傾向と対策

英語
2020.10.14



英語で話をしたが相手に伝わらないという事があります。原因を発音の悪さに求めてしまいがちですが、実はそうではない事が多い。伝わらない事そのものよりも、その事実をどのように整理するかがその後の上達を決めますので、伝わらない原因に真摯に向き合わねばなりません。

理由は大きく分けて以下の4つに分類できます。

1.発音が悪い
カタカナ英語で発音している、単語のアクセントの位置や文全体のリズムが異なる、抑揚がフラットだという場合です。この場合、自分の英語を正しい音やリズムに修正しながら反復練習していくのが有効です。
自ら問題の所在に気づくのは容易ではありませんが、見極め誤るといくら練習をしてもいっこうに上達しないという事が起きます。特に真面目な人ほど学習の継続を重視するあまりに今までのやり方を踏襲し、練習量でカバーしようとする傾向があります。これを続けると誤った発音の癖が強化されるという新たな問題を引き起こします。このような事を繰り返している人は意外と多いですが、早めに軌道修正した方が良いでしょう。

2.英語表現が適切ではない
文法が誤っているため伝わらない、単語やイディオムの使い方が文脈に合わない、文法上は問題ないが実際には使わない表現だ、というような場合です。
このケースでは英語力そのものに問題があり、文法力の強化に加えて適切な語彙を選びとる語感を身に付ける事が欠かせません。私は語彙数の多さよりもこの語感が重要だと考えています。語感を身に付けるには自身の状況にあった質の良い文章に繰り返し触れる事が有効です。続けるうちに不自然な表現に当たった時、“何だかおかしいな”と直感的に感じられるようになります。この語感が身に付くと、その後の学習効率は各段にアップします。

3.何が言いたいのかわからない
英語自体は適切だが、何を言いたいのかが受け手には理解できないという場合です。見ているとこれがとても多い。日本人がこの問題を解決するには元の日本語の推敲から始めるのが有効です。結果として論理的な話し方が身に付き、その効果はとても大きなものになります。

日本語はハイコンテクスト(high context)な言語と言われます。すなわち互いが背景を理解している前提で文章が作成され、情報の受信側に内容を理解する責任が課される傾向が強い。これに対して英語はローコンテクストな言語です。書かれた内容を文字通りに解釈するため、情報の発信側に内容を理解させる責任が課されます。英語で話す場合、日本語のように行間を読んではもらえませんので、発想を切り替えて表現方法もローコンテクストに変えていく必要があります。

とある本に、『日本のようなハイコンテクストな文化圏ではポジションが上になるほど、話す際も聞く際も裏に秘められたメッセージを読み取る力が高くなり、ローコンテクストの文化圏ではポジションが上になるほど明快であいまいさのないコミュニケーションをとる』という調査結果が記載されていました。とはいえそれで納得してしまったのでは伝える力は高まりません。ダイバーシティが進んでいる現状で暗黙知に頼ったコミュニケーションを続けていても、ますます相手の理解が得られなくなるばかりです。ハイコンテクストな表現がステイタスや教養の証となどとは捉えず(こうした発想ではともするとオールドタイプと嘲笑されかねない時代ですが)、ローコンテクストなコミュニケーションスタイルをとりいれて行くのが良いでしょう。

4.相手が話の内容を理解できない
この場合、問題は英語力よりもテーマ設定やコミュニケーション方法にあります。どんなに一生懸命に話しても、相手に受け止める準備が出来ていないとメッセージは伝わらないし、場合によっては気付かないという事さえ起きます。相手と自分の知識や関心事が異なる状況で意思疎通をはかる場合には、相手の立場に立ち、かみ砕いて話をするしかありません。

いずれにせよ、これら全てをまんべんなく潰し込むのではなく、自身の課題はどこにあるのかを客観的に見極めた上で主要な課題にフォーカスし、解決に向けて取り組むことが上達のポイントです。学習する前に課題があり、課題にも優先順位があります。英語力とコミュニケーション力を高めるには、伝わらない原因に真摯に向き合うことが重要です。

筆者:KM

■  ルミナスコンサルティング株式会社 はIFRS関連業務会計英語コーチング等により企業及び人材のグローバル化を支援しております。ウェブサイト訪問はこちらから。

その他の「英語」コンテンツはこちら

お問い合わせ

お問い合わせの方はこちらをクリックください。