
英語で会話をする中で、自分が話した内容が相手になかなか伝わらないという経験をお持ちの方は多いのではないかと思います。本日はその原因についてお話したいと思います。
伝わらない時、発音が悪いのだと考えがちですが、実は原因は様々です。考えられる主な要因を以下4つに分類いたしました。
1.発音
カタカナ英語で発音している、単語のアクセントの位置がずれている、抑揚がフラット、というケースです。
この場合には、アクセントとリズムにフォーカスした反復練習をするのが有効です。
自分自身で修正するのは簡単なことではないですので、スクールなどで定期的にチェックしてもらい、練習をするのが得策です。謝った発音やアクセントで必死に練習すればするほど、癖が強化されて修正するのが難しくなります。一度ついたクセをとるのは、新たに身に着けるよりも困難です。特に真面目な人ほど、このような事態に陥りやすいので注意が必要です。
2.文法や単語の選択
文法が誤っている、単語やイディオムの使い方が文脈に合わない、文法上は問題ないが実際には使わない言葉を選択している、という場合です。
このケースでは、単語や文法を学習することに加え、知っている単語の中から適切な語彙を選びとる語感を身に付ける感覚を養うとよいでしょう。そのためには類似する単語を比較し、質の良い文章に繰り返し触れる事が有効です。具体的には、自分が表現したいフォーマリティを選ぶことがポイントです。単語については、続けていく間に不自然な表現に当たった時、“何だかおかしい”と直感的に違和感を感じるようになります。この語感が身に付くと、その後の学習効率は各段にアップします。
3.話す順番(論理性)
英語自体は間違っていないけれども、話す順番や内容にまとまりがない、というケースです。実はこのパターンがとても多い。そんな時は、元となる日本語の推敲から始めるのがよいでしょう。結果として日本語についても論理的な話し方が身に付き、その効果は絶大です。
日本語はハイコンテクスト(high context)な言語と言われます。ハイコンテクスト文化では、お互いが話の背景を理解している前提で会話が進み、情報を受け取る側に内容を理解する責任があると考える傾向が強く働きます。
これに対して英語はローコンテクストな言語と言われます。書いたり話したりした内容は文字通りに解釈されます。情報を発信する側が、相手に内容を理解してもらうために努力しなければならないという考えが前提にあります。この違いを認識し、英語で話す場合には発想を切り替え、行間を読んでもらうことを期待した表現を使わないことで意思疎通がしやすくなります。
4.テーマ設定
英語力ではなく、テーマ設定やコミュニケーションの取り方が原因のケースです。そもそも扱う内容について知識がない、関心がないという理由などにより、相手に受け止める準備が出来ていない場合、どんなに一生懸命に話しても、メッセージが相手にまで届きにくくなります。こうした事に気付いたら、話題を変える、かみ砕いて話をするなどして、相手の受け取りやすいボールを投げなおすことを考えましょう。
以上、限られた時間内で上達という成果を出すには、考えられる原因全てを万遍なく潰し込むのではなく、主要な課題にフォーカスし、集中して取り組むことが上達のポイントです。ぜひ、優先順位付けについて考えてみて頂ければと思います。
筆者:KM
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