グローバルに働くということ(前編)

インタビュー
2019.06.10



今回は、会計英語コーチング講座を支えているパートナーの対談です。
テーマは「グローバルに働くということ


K:Tさんは少し前まで大手企業で働いていらっしゃったんですよね。社会人になってからどのようなお仕事をしてきたか、英語とのかかわりについて触れつつ教えていただけますか。

日本企業の駐在員としてアメリカで働く

T:大学卒業後に入社した会社で、経理部の決算担当課である主計課に配属されました。そこでUS-GAAPでアニュアルレポートを作る仕事を担当することになり、久しぶりに英語に触れたのです。大学受験の時にはきっちり時間をかけて英語を学習していたのですが、その後はよくある話で英語に関わる事もなくなっていたので久しぶりでした。

当時会社でお願いしていた監査法人がKPMGで、会計士の先生が流暢な英語で電話をなさっていました。こちらが日本語で話した内容を英語でメモしているのを見て感銘を受け、自分もああなりたいと思ったことをおぼえています。

入社後3年が経った頃、会社で経理部員を海外拠点に派遣するプログラムがはじまりました。是非行きたいと思いTOEICやTOFELの勉強をして、運よくニューヨークに行くことが出来ました。

K:なるほど、やはり身近にいる人から刺激を受けるものですよね。アメリカではどんなお仕事を担当なさいましたか?

T:主な仕事は米国支店営業のFP&A()、レポーティングです。 たとえば年次予算作成、年度着地見込、予算実績差異分析を含む管理会計、同業他社の米国拠点との比較分析です。他に、当時米国支店を現地法人化するプロジェクトがあり、その関係で管理部門のトップだった日本人駐在員の上司を、法務や金融機関との交渉でサポートするなど多岐にわたりました。
(※)FP&A:Financial planning and analysisの略で、財務分析、計画立案、着地予測などの事業管理を行う業務。

K:どんなことが大変でしたか?

T:それが、大変だと感じたことは思い出せないんです。初めての海外生活で、英語を使った仕事をして、それなりに大変だったはずなのですが、充実感の方が大きかったですね。英語を使った仕事では、現地の経理スタッフとのやり取りが多かったのですが、言葉は違っても、会計の仕事自体には大きな違いはないし、仕訳という共通言語があるので意思疎通がやりやすかったということはあると思います。また、今から思うと、日本人駐在員という立場である私に対しては、現地の経理スタッフも、日本企業クライアント窓口の弁護士や金融機関の方も気を遣って英語のレベルを合わせてくれていたのでしょうね。 

K:なるほど、会社の立ち位置や時代背景という事もあるのかもしれませんが、相手が合わせてくれる場合には比較的コミュニケーションが円滑に進むものですよね。

人生もっと楽しまないと損だ!
K:では逆に面白いなと思ったことはありますか?

T:ニューヨークでの生活は面白いことだらけで・・・。それまで日本で仕事人間、会社人間への道を着実に歩んでいた私ですが、人生もっと楽しまないと損だ、と決して誇張でなく人生観が大きく変わりました。ニューヨークにいる間は仕事も、ニューヨークライフも、それから勉強も、3つとも充実させようと決めて、それを実践しました。勉強では、滞在中にUSCPAの試験に合格しました。当時はまだ日本では受験は大手の資格学校にもUS-CPAのコースもなかったので、現地で分厚い英語の参考書を購入して独学したのですが、英語力の向上には大変役立ちました。

K:それは凄い。環境が変わったことによって、考え方も変わったという事ですね。

社長のいいたい事がわからず苦労した
T:英語を使った仕事上のエピソードとして、米国支店の法人化プロジェクトが完了し、最初の取締役会でのスピーチの英訳を日本人の現法社長から任されたことがありました。結果としては社長やネイティブの方からもお褒め頂いたのですが、英訳にはとても苦労したことを覚えています。

何故かというと、もちろん自分の英語力不足もありましたが、ある時、そもそも日本語の文章が、お祝い事のスピーチにありがちな美辞麗句が並んでいるけど抽象的で、実は何を言っているのかよくわからないものになっているからだと気が付きました。

日本語のスピーチとしては決して稚拙な文章だったわけではなく、何と言っても社長が自ら書かれた文章なので、「意味がわかりません。」とも言えず、ここで言いたいことは具体的にはこういうことだろうと忖度しながら、まず日本語を構成し直してから英語に変換するようにしてからは作業が比較的スムースに進み、出来上がりも納得のゆくものになりました。

日本語を英語に訳する際、そのまま英語にしようとせず、英語にしたときこれで通じるかな?と考えることは、その後も今日に至るまで気を付けています。

K:「要は何がいいたいのか、その言い方で伝わるのか」ということですね。コミュニケーションの基本となる”論理性”や”簡潔さ”については会計英語コーチング講座でも繰り返しお伝えしていることです。どれ位駐在なさいましたか?

T:2年3ヶ月です。

K:帰国後は、駐在の御経験をどのように活かされたのでしょう?

T:日本本社の経理部の主に海外営業に関係する経理業務を担当する部署に戻りました。
駐在経験者ですので、日本人が海外拠点とのコミュニケーションで困った時に間に入っていました。海外拠点に出張に行き、拠点の経理プロセスについて内部監査業務を行うという事もしていました。この会社では合計で13年ほど勤め、他の会社に移りました。

後編に続く)

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