ワークライフバランスで新たに必要になる『休む技術』


ワークライフバランスと言われて久しく経ちます。
しかしながら筆者の周囲では、休みは増えても仕事は減らずという声も聞こえて来ますし、周囲の目が気になる、休むこと自体に罪悪感を感じるという方もいます。そのような中でどうやって休めば良いのでしょうか?

「24時間戦います」というCMに代表されるように、企業も個人も不眠不休で働くことが良しとされていた時代がかつてはありました。しかし現在は『休むこと』に対する考え方が変わりつつあります。とはいえ、一人ひとりの意識のほうはまだ、時代の変化に追いついていない面がありそうです。

2019年も、12月27日が仕事納めであったという方が多いのではないでしょうか。
日本のように一斉に働き、一斉に休むことがまかり通っている社会では、周囲とは異なる時期に休みをとりたいと思っても、他人に気を遣って休めないという事がありがちです。休んだとしても肩身が狭い思いをする事があります。実際に「休んで○○で遊んだが、休み中に仕事もしていた」という発言をしばしば耳にします。

働く時間が長い人の中には、その人のパフォーマンスが高いから仕事が集まるというよりもむしろ逆であったり、そもそも休日も働く事を前提に仕事をしている、惰性でだらだらと時間を過ごしている、何でも自分で抱え込む、などマネジメント不足を原因とするものも見受けられます。また、長時間労働のデメリットとして、放置すると心身を壊し、二度と元の場所に戻って来れなくなるという事もあります。実際にそのような事例を沢山見てきました。

私自身、以前はかなりの長時間労働者でした。しかしながら現在はほぼ全く仕事や学習をしない期間を定期的に設けています。最初に試したのは公認会計士試験の勉強をしていた時です。平日9時から5時までは学習時間に充て、それ以外は休むことにしたのです。果たして、爆発的に結果が出ました。知識を詰め込むよりも休息期間を設けたほうが結果が出る。そして臨機応変で自由な発想が出来ることを知り、休んだほうが『単位時間あたりのアウトプット』だけでなく、『アウトプットの質』自体も上がるのだと考えるようになりました。

勉強や仕事に限らず、本人よりも周囲のほうが状況を的確に把握できるという事があります。これは人間は一つの事をやり続けた結果、細部に入り込み知らないうちに視野が狭くなっていくのが原因です。休む一番のメリットは対象から距離を置くことで、客観的かつ俯瞰的な視点で物事を見つめられるようになることです。

もし仕事で成果を出したいなら、休む時間を確保する事も仕事の一部と考えたほうが良いでしょう。実際に休むために大事なのはまず、先に休む時間を確保する事。そして休むための段取りです。休む技術は現在の仕事のスタイルの延長線上からは生まれてきませんので、意識して行うことが不可欠です。

皆さんはどう考えますか?

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