先日、12月のLSG-ルミナススタディグループ(読書会)が開催されました。この会は座学で勉強したり情報を得るよりも、参加者の皆さん一人ひとりが『ご自身の意見を発信する』ことに比重がおかれています。
今回の課題書籍は元ミクシィ社長の朝倉祐介氏著「ファイナンス思考」です。スタートアップの現任CFO、CFO経験者、上場企業IR、大企業の実務経験者等々、様々な経歴の皆さんが集まり、ファイナンスをテーマに意見交換をしました。
実際問題、『ファイナンス思考』とはセンスなのか、それとも学習で高められるものなのか。
それを養うためには実務をどのように進めていくべきか。実務担当者や責任者として自らビジネスに関与し、高い問題意識をもっている人たちの集まりですから、年齢や性別関係なく話が進みます。とても価値ある、そし多様な情報や視点が引き出されてきました。このスタディグループは月に一回程度で開催されていますので、ご興味ある方はお問い合わせください。
ここで、ファイナンス思考とは、『企業の価値を最大にするために、①事業に必要な資金を外部から調達し、②保有する資産からキャッシュを創出し、③稼いだ資金を新規事業等への投資や調達先への還元にバランスよく分配し、④活動の内容をステークホルダーに説明する一連の活動』を意味します。
近年ファイナンス思考が必要であると叫ばれている背景には、高度経済成長を前提としたPL(損益計算書)、特に売上高を最大化すればよい時代の終焉、テクノロジーの発展による既存事業の陳腐化等があります。競争関係が一夜にして逆転する可能性さえある厳しい時代です。こうした中では、将来大きな価値を生む可能性のある事業に対し、リスクをとって挑戦することが求められます。
将来の成長に向けて大きな資金を使うチャンスがあるとしても、PL(損益計算書)に基づいて単年度の業績を重視した判断をした場合には行動を起こすと費用がかさみ、その年度の業績が悪くなってしまうという事があります。このような場合、その行動は行われないことになります。結果として成長の機会を失うことになります。ここで必要になるのがファイナンス思考です。
自己が保有する様々な資産を使っておカネを創出し、稼いだおカネを自己投資や資金の返済に回し、活動内容を外部に説明する、と考えればこれは個人レベルでも必要な考え方という事が出来るのではないでしょうか。
未来のために大胆な投資を今行うこと。変化を求める人にとっては楽しみな時代であると思う一方で懸念点もあります。従来の安定した環境を前提として、言われたことを粛々とこなすことを望んだとしてもそれは叶わないという事です。
時代が変化している中で自身が変化しなければ、それは後退を意味します。我々ひとりひとりというミクロの世界では、変化に気づかないままでいると自らの存在意義が危うくなる。いわゆる“普通”、“現状維持”でいることすら難しい時代なのです。個人レベルでも、ファイナンス思考は不可欠なのではないでしょうか。
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