【特集記事】実際に英語を使ってグローバルにお仕事をなさっている方にご自身の経験をお話いただいています。
各方面のエキスパートの方々の生きた声をお届けします。
ルミナス(以下、LC):一時帰国中のお忙しい時にありがとうございます。駐在はいつからでしたか?
Y:4年前から日系企業の製造業子会社のたてなおしのためにアメリカ南部の都市で働いています。北海道の様に広々とした場所です。
LC:4年、もうそんなに経ちましたか。早いものですね(笑)。駐在なさる直前にもお話しましたね。改めて駐在に至ったきっかけを教えてください。
Y:はい、もともと外部の会計コンサルタントとして日本本社のサポートをしていました。その会社から、アメリカの子会社の管理体制を見直して欲しいと頼まれたのがきっかけです。実は以前から海外で働きたいなと思って英語を勉強したりしていたので・・・迷わず引き受けました。今は現地の経理部で従業員として働いています。
LC:なるほど、チャンスをつかまれたのですね。着任後すぐにアメリカでの仕事の仕方に馴染めましたか?
Y:いえ、最初の2年間は大変でしたね。会計士ということで経理部では一定のレスペクトはあったのですが、なかなかうまく周囲の協力を取り付けることができなくて。
資料を見て理解しようとしてもそもそも情報の在りかがわからず、人脈もないので部内外の人とのコミュニケーションもなかなか上手くいかず。日本にいたときと比べて仕事がやりづらかったです。
LC:そのような厳しい状況から現在のような環境に至ったきっかけはありますか?ご自身で積極的に行った事などあれば教えてください。
Y:まずは日本で強みとなっていたものを発揮することが大事だと思って、とにかく専門知識を駆使して理詰めで話をするようにしました。英語の表現が多少チープになったとしても、私には会計のバックグラウンドがあると考えるようにしました。
毎日の仕事の中で、“この状況では何が正しいのか”を考えて実行していくように心がけていくうちに、相手が私の話を聞いてくれるようになっていきました。相手の中で「こいつの言っている事は正しいかもしれない」と言う事が積み重なっていったのかなと思います。
LC:日本人のご同僚との関係についても教えてください。会社に日本人の方はいらっしゃいますか?
Y:日本人は1000人中20人ぐらいです。最初に挨拶したときは皆、「こいつ誰だ?」という顔をしていましたね。管理畑の同僚が、「この人はYさんで、会計士なのですよ」と紹介してくれたのですが、それでも「会計士って何?」という感じで孤独感を感じました。それでどうしようかなと思って・・・。
日本にいる時は飲み会が好きだったのですが、こちらではそういう機会がありません。気軽に飲める場が欲しかったので、会社内の日本人に「家でBBQをやるので来てもらっていいですか?」と声をかけて何回か飲み会をしました。そうしたら、いろんな部署の人が来てくれて、後に協力して仕事をしやすくなりました。仲良くなりたいときにBBQはおすすめですよ(笑)。
LC:徐々に職場環境が良くなっていったのですね。仕事についてはいかがですか?
Y:2年目までは成果として華々しく報告するものがないなと思い悩み、ストレスで体中にじんましんができました。私を送り出してくれたCFOから「二年でそれしか出来なかったの?」と言われる夢を見てうなされたりもしました。
LC:どうやって乗り越えたのでしょう?
Y:はい、あるプロジェクトで取り組んでいた課題の一つが非常にうまくいったことがあったのですが、それが会社のかねてからグローバルベースでの管理課題を解決するきっかけになったのです。最後の最後に周りの協力が得られた事もありプロジェクトが上手く行き、結果的に会社の業績にも貢献する結果にもなって非常に評価していただけました。状況が良い方向に展開し出したのはそれからです。
実はそろそろ日本に帰る頃かなと思っていたのですが、上司からまだいて欲しいと言われました。「もうあんなウルトラCのようなことはおきませんよ」といったのですが、どうすれば駐在を延長できるのかと言ってもらって。頼りにされるようになったなと感じました。
(後編に続く)
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