こちらのインタビューブログでは実際に英語を使って
グローバルにお仕事をなさっている方にご自身の経験をお話いただいています。
各方面のエキスパートの方々が、
皆様から寄せられた”英語に関する疑問”にお答えしてゆきます。
少しづつ更新してゆきますので、お付き合いください。
今回は「ネイティブスピーカーからみた『日本人と英語』」がテーマです。
Hさんに外資系企業に転職したいけれどもご自身の英語力に不安があるという方の
ご相談にお応えいただきたいと思います。
※Hさんのご経歴は海外上場企業役員へのインタビュー(1)をご覧ください。
前回からグローバルな会議でのお作法についてのお話が始まっています。
続きをうかがってみましょう。
L 「さきほど日本人と韓国人が会議で発言しないというお話がありました。
発言しないのは英語が出来ないからなのですか?」
H 「それも理由の一つだと思いますが、
英語が出来ても発言をしないという人が結構います。」
L 「そうなんですか!?それは何故でしょうか?」
H 「場の雰囲気に押されてしまっているのだと思います。
そもそも何がいいたいのかわからない。
自分の言いたい事を伝えるのが苦なので避けているように見えますね。」
L 「会議で発言しないと目立たなくて良い、と思う人も多そうですが」
H 「いえ、会議で発言しないと目立ちます。
韓国人と日本人は発言をしないので目立っています。」
L 「実際は逆なのですね。」
● 会議は貢献するためにある
H 「それに、会議で発言しないと自分にもフラストレーションがたまるのです。」
L 「フラストレーション?」
H 「はい、発言しないということは会議でその場の議論に貢献できていないという事です。
結局、情報を持って帰るということしか出来ていないのです。」
L 「なるほど・・・。受け取るだけで与える事が出来ないと、
そのうち仕事が出来ない人という評価が下されてしまいそうです。心配です。」
H 「たとえば経理では年に4回程度、現場の問題やプロジェクトを検討する会議
があるのですが、議論が出来ないと問題提起もできないし言い返すことも出来ません。
そうするとフラストレーションをためて不満をもって帰って来ます。
提案が出来ないのですから周囲からの評判も良くないです。
あのひとは何も言わない人、とレッテルをはられてしまう。
本人にとって損でしかないですね。」
L 「そこでやる気になって頑張る人もいるわけですか?」
H 「もちろんです。英語学校に通うなり、自分で学習するなりして積み重ね、
発言出来る様になっていった部下もいますよ。
たとえば以前、日本人の部下が2年間中国に赴任したことがありました。
英語が不得意な事もあり、最初は何もコメントできなかったのですが、
片言ながら意識して自分の意見を言うようにし、会議の後に復習をしていました。
現在ではグローバル会議を主催する事まで出来ますし、
英語では全く問題ない状態になっています。」
●国による英語力の違い
L 「それは凄いですね。結局本人次第という事がよくわかりました。
さまざまな国の方が働いていらっしゃるとの事ですが、どの国の方が英語力が高いなど、
傾向のようなものはあるものですか?」
H 「ありますね。総じて日本は韓国よりも英語の能力は低いようです。
よく言われる通り、日本人は読む方は問題ないが文法は得意ではない、
話すより書く方が得意な人が多いです。同じアジアでも中国人のレベルは高いですよ。」
L 「そういえば、中国人の友人から、中国では大学で英会話を学ぶので
大学をでている人は普通に英語が話せると聞いた事があります」
H 「はい、上海在住の中国人の部下も英語の会議では全く困っていません。
ある時、アメリカ本社から経理業務サポート依頼を受けた時も、彼女を指名しました。
残念ながら、日本人で本社のサポートが出来るレベルの英語力がある部下は
いなかったのです。拠点が日本にあるのに日本人が選ばれないとは、残念です。」
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